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柔道整復師コラム
10.美容鍼灸の効果を持続させる秘密
近年、鍼の美容効果が注目され美容鍼灸として多くのメディアで取り上げられるようになりましたが、
「しわ、シミ、たるみ消えます!」といった効果ばかりが注目され東洋医学の鍼灸としての素晴らしさが置いてけぼりになっています。
鍼灸の考え方を理解しておかなければ、美容鍼灸の効果は半減してしまいますし、長続きもしません。
鍼灸について正しく知っていただき、日常生活を輝きのあるものにしていただけたらと切に願います。
美容鍼灸とは健康を基礎として成立する美しさ作り
腰痛で来院されていた30代女性のOさん。
前に屈むときなどのもともとの腰の痛みは骨格・筋肉・神経バランスを柔整と鍼灸で治療したところ2週間ほどで改善しました。
腰痛の改善は観られたもの、顔色が良くなく、お疲れの表情だったので、他に何かお悩みはありますか?と話しを伺うと、最近は寝ても疲れがとれないとのこと。
そこで、よくお顔の状態を診てみると、肌に透明感が無く、目元にたるみがあり、ほっぺや口角も下がり気味でした。
そしてお話もよく伺うと、仕事が忙しくなり、週1で通っていたヨガが現在は月に1回行けるか行けないか、さらには朝食が抜き気味になっていたりと、運動不足と食生活の乱れがありました。
運動不足で血液の流れが悪くなり、食生活の乱れで体が栄養不足になっているせいで寝ても疲れがとれず、お顔にも疲れのサインがでてしまっていたのです。
そOさんは接客のお仕事をされている方だったので、身体とお顔のことをお伝えし、この状態であれば運動や食生活を見直すことを前提に美容鍼灸で身体とお顔の治療をすると身体のだるさ、お顔の疲労感が改善しますよとお伝えしたところ、二つ返事でやると答えられました。
うつぶせになり、診断でわかった症状を和らげるための鍼を背中の経路上にあるツボに打ちます。
Oさんの場合は、脈診で消化吸収が滞りがちな「脾虚」であることがわかったので、消化吸収を促すツボに鍼を。
次に体の冷えや滞りのある、代謝の落ちている箇所にお灸を 鍼の近くで、炎症のない箇所に置くのが基本。
Oさんの場合、脾兪をはじめ肺兪・膈兪・三焦兪・腎兪と計10か所に置き、じんわり芯から温める。
次に顔の施術。フェイシャルで顔の骨格を確認。その後、お顔をしっかり引き上げながら、シワが出ずにきれいにリフトアップする位置を探し、フェイスラインに沿って鍼を打ち、固定。髪の生え際は目元の引き上げに、眉間は表情を柔らかくする効果があります。
さらに主要なツボに鍼を打つことで新陳代謝や細胞の活性化が促され、みずみずしく透明感のある肌が期待できます。
最後に鍼とお灸を足に。足三里と三陰交は脾と気血津液に関係するツボで、Oさんの症状に合わせ、消化吸収や倦怠感を緩和させるために鍼を打ちました。
頭、顔、体と全身への施術が済んだら、もう一度脈診し、体の回復を確認して施術は終了。
目元のたるみが取れ、ほうれい線が目立たなくなり、口角が上がり、肌の透明感がアップし、小顔に! 「顔に鍼を打つのは正直ちょっと怖かったですが、チクッとする程度なので打っていくうちに慣れました。
わずか60分の施術でここまで変わるので、続ければさらに若返りが期待できると感じました。」と大変喜んでいただけました。
美容鍼灸とは健康を基礎として成立する美しさ。健康でなければ真の美しさは手に入れられません。お顔がきれいになっても健康状態が悪ければすぐに戻ってしまいます。
美容に特化した鍼灸治療と合わせて運動や食生活など基本的な生活習慣を見直すことで、元気で美しく輝きのある生活を手に入れることができるのです。